魚の肥料で育った、お出汁のような旨味たっぷりの「ひりょうやさんのトマト」
「せとなか百貨店」は、三原市の地域産業が生み出した数々のスグレモノが集まっています。その種類はバラエティに富んでおり、自分へのご褒美や手土産に最適なグルメの数々、事業者の職人が丹精込めて作る機能性を重視した寝具や衣類品、家具、美容品、生き物までさまざまな商品を展開しております。
せとなか百貨店では、三原市ならではの商品の魅力や、作り手の想いを発信していきます。ぜひ瀬戸内の楽しさ、面白さ、美味しさに出会ってください。
第13回目にご紹介するのは、大成ファームの「ひりょうやさんのトマト」です。
3代目を務める代表取締役社長・杉浦朗さんにお話しを伺いました。
魚のエキスがメインの肥料で育ったミニトマト
1985年創業の肥料メーカーが自社ハウスで大切に育てたミニトマトです。
有機肥料をふんだんに使用し、徹底管理された生育環境でおいしさと環境への配慮を両立しています。特徴的なのは、まるでお出汁のような豊かな風味で、一度食べたら何度もリピートしたくなる味わいです。
また、完熟トマトは裂果しやすいため、規格外のものも廃棄せずにジュースとして加工しています。
魚由来のエキスで育てたトマト。
甘味の中に旨味を感じられ、青臭さやえぐみも少ないため、子どもでも食べやすい、まるでフルーツのような甘さが特徴です。
「トマトジュース」
完熟して割れてしまったものなど規格外のトマトで作った食塩不使用・無添加のジュース。
小ロットで新鮮なトマトだけを使った、トマト本来の甘みと旨みを感じていただけます。
食塩不使用・無添加で、どなたにも安心して楽しんでいただけます。
規格外のトマトを廃棄せず、無駄なくジュースにすることで、食品ロス削減に貢献しています。「ひりょうやさんのトマト」だけを使ったジュースは真空で加熱処理を行っており、常温で1年間保存できるため、贈答用にもぴったりです。
有機肥料で栽培したおいしさを追求したミニトマトができるまで
大成ファームは、農作物が安心・安全であることはもちろん、おいしさを追求したミニトマトを作っています。
代表取締役社長 杉浦 朗さん
1985年創業の大成農材株式会社から分社された「大成ファーム」は、広島県三原市を拠点にする農業法人です。大成農材株式会社は、創業者である祖父が商社で有機肥料を取り扱っていた経験を活かし、1985年に設立されました。
創業当時から、安価で普及していた人工肥料ではなく、環境に優しい有機肥料にこだわり、高価ながらもその取り扱いを続けてきました。
杉浦さんは小学生の時、父親が祖父の事業を手伝うため、家族で静岡から広島に移住しました。
「普段の食卓は一般家庭と変わらないものでしたが、有機肥料で育った野菜とそうでないものを食べ比べると、その味の違いは明確で、有機肥料の野菜は一目瞭然でした」
と杉浦さんは振り返ります。
祖父の事業を引き継ぐ意識は当初なかったものの、有機肥料で育てた作物の美味しさや、肥料による味の違いを幼少期から実感していたそうです。
「美味しいからまた買おう」と思ってもらえるブランドに
2016年に杉浦朗さんが3代目として事業を継承し、現代表取締役社長に就任。その後「ひりょうやさんのトマト」というブランドを立ち上げました。
近年、「オーガニック」への関心は高まっていますが、国内の有機農産物の生産量はまだ少ないのが現状です。
茶は4~5%、野菜や大豆は0.3~0.5%、米や麦に至っては0.1%と、日本の有機農業は諸外国と比較しても発展途上にあります。
これまで大成ファームは契約農家とともに有機肥料を使った農産物の生産に取り組んできましたが、2018年からは自社ハウスでの栽培に切り替え、さらに品質管理を徹底しています。
「美味しいからまた買いたい」と思っていただけるトマトを栽培し、直接消費者の皆さまにお届けできる体制を整えています。
トマトの味を最大限引き出すために肥料にこだわり
魚由来のアミノ酸が豊富な有機肥料で育てたトマトは、口に入れた瞬間に濃い風味が広がり、旨味が強く自然な甘みで、次々と食べたくなる美味しさを実現しています。
一般的に農作物の味は、水の管理、日照時間、温度調整、そして品種選定が重要な要素とされていますが、実は肥料もトマトの味を大きく左右する重要な要素です。
そのため、当社では作物づくりの基盤である「土」にも特に注目し、有機肥料を使用することで、より美味しいトマトの味わいを追求しています。
現在、少数精鋭のメンバーで栽培に取り組んでおり、正社員4名、パート5名が在籍しています。風通しの良い職場環境の中、全員が共通して持っているのは「トマト愛」。愛情を込めて育てたトマトは、品質に対するこだわりが詰まっています。
また、環境に配慮しながら有機肥料を使用し、さらに農作業の一部を自動化することで、持続可能な農業の実現を目指しています。
ひりょうやさんのトマトが選ばれる理由
有機肥料で育った風味豊かなトマトは、調理しなくても十分美味しく、旨味が詰まっているため家庭の食卓にもぴったり。
お客様からは「フルーツのように甘い」「おやつ代わりに子供が喜んで食べます!」「トマト特有の青臭さやえぐみがなく食べやすい」といったお声をいただいています。
さらに、「ひりょうやさんのトマト」で作ったジュースも、トマトの自然な甘みが味わえるので人気です。
完熟し最高に甘い状態だけど規格外になったトマトを使用しているため、フードロス削減に貢献しています。
高品質なトマトを世界に届けたい
「広島県で美味しいトマトといえば『ひりょうやさんのトマト』と言ってもらえるような知名度を目指しています。今後は現在の3倍の面積のハウスが完成予定です。
県外でも徐々に認知が広がっていますが、さらにブランドの認知拡大を図り、海外展開も視野に入れています」と、杉浦さんは語ります。
品質にこだわったトマトをより多くの方に届け、広島から世界に向けて発信していくビジョンを持って取り組んでいる姿勢がうかがえます。
絵本で伝えるトマトへのこだわりと食育
贈答用に使っていただくことも多い「ひりょうやさんのトマト」。
通信販売で購入いただいたお客様には、オリジナルのストーリーを描いた絵本を同梱しています。
この絵本は、肥料やトマトのこだわりを伝えるだけでなく、食育活動の一環としても活用されています。食材に込められた想いや栽培の工夫を楽しみながら学べる内容になっており、家族での食卓をより豊かに彩ります。
有機肥料を使ったサステイナブルな農業で「美味しいトマト」をつくる
創業以来、大成ファームは長年にわたり、100%有機肥料の開発に取り組み、その技術を基盤にしてトマト栽培に力を注いできました。自社で開発した天然有機質肥料を使用し、旨味が詰まったトマトを育てることにこだわり続けています。
「美味しさ」をとことん追求したこのトマトは、安心・安全で高品質を誇り、国内市場だけでなく、海外への展開も視野に入れています。より多くの人々に愛されるブランドへと成長することを目指しています。
また、大成ファームは、持続可能な農業の未来を見据えています。
「私たちの目標は、農業経験がない方でも高品質なトマトを育てられるようにすることです。だからこそ、地球に優しい肥料を活用し、環境に負荷をかけないサステイナブルな農業を実現していきます」と杉浦さんは語ります。
濃厚な旨味と甘みが自慢の「ひりょうやさんのトマト」。
ぜひ一度お試しください!食卓に新しい美味しさを届ける一品になることをお約束します。