昔ながらの釜炊きでつくる『幸福豆』。心温まる美味しさの秘密は

「せとなか百貨店」は、三原市の地域産業が生み出した数々のスグレモノが集まっています。その種類はバラエティに富んでおり、自分へのご褒美や手土産に最適なグルメの数々、事業者の職人が丹精込めて作る機能性を重視した寝具や衣類品、家具、美容品、生き物までさまざまな商品を展開しております。

せとなか百貨店では、三原市ならではの商品の魅力や、作り手の想いを発信していきます。ぜひ瀬戸内の楽しさ、面白さ、美味しさに出会ってください。

昔ながらの釜炊きでつくる『幸福豆』。心温まる美味しさの秘密は

第9回目にご紹介するのは、オクヒロ食品株式会社の『幸福豆』と『ひとくちうまいも甘煮』です。

オクヒロ食品は、前身となる煮豆・佃煮の会社から独立し、1996年に開業した煮豆とサツマイモの甘煮に特化したメーカーです。昔ながらの窯炊き製法にこだわった『幸福豆』はしっとりホクホクな食感とほどよい甘さが特徴で、食べれば口の中に「幸福」が広がります。

「煮豆の食文化を後世につなげていきたい」と話す社長の奥延浩寿さんに、商品の魅力やこだわり、今後の展望について伺いました。

ほどよい甘さにこだわった『幸福豆』

『幸福豆』には、厳選した大黒花芸豆(おおぐろはなげいまめ)を使用しています。インゲン豆の仲間で、煮豆の原料としてはそれほどメジャーなものではありませんが、これまでさまざまな豆を食べ比べてきた奥延さんが、皮の柔らかさやホクホクしっとりとした食感に着目し、商品化にいたりました。

調理に使う原材料は、砂糖、塩、水あめといたってシンプル。自社で乾燥豆から加工を行い、昔ながらの窯炊き製法で時間をかけて丁寧に炊き上げています。

特にこだわっているのはその素朴な甘さです。

「最近は、薄味や低糖など健康志向の食品が主流になっていますが、当社ではあえて豆の中までしっかりと味の染み込んだ、ほどよい甘さにこだわっています。余計なものは一切使わず、おばあちゃんの家で出されるような、昔懐かしい味わいを追求しています」(オクヒロ食品社長・奥延さん)

『幸福豆』

『幸福豆』

ホクホク食感の『ひとくちうまいも甘煮』

『幸福豆』と並び、オクヒロ食品を代表するロングセラー商品となっているのが『ひとくちうまいも甘煮』です。使用するさつまいもは、国産の高系14号、紅あずまなど、ホクホクとした食感が魅力の品種です。

「最近人気のねっとり系のさつまいもは、輪切りにすると皮が弾けて形が崩れてしまうため、甘露煮には向きません。そのため、窯炊きしてもしっかりと食感が残り、甘さがちょうど良く仕上がる品種を厳選しています」

同じシリーズで、爽やかなレモンの風味とハチミツの甘さが染み込んだ『ひとくちうまいもはちみつレモン煮』もおすすめです。

『ひとくちうまいも甘煮』

『ひとくちうまいも甘煮』

味の決め手は、“オリジナルの釜”と“職人の五感”

『幸福豆』と『ひとくちうまいも甘煮』の味を大きく左右するのが、煮炊きに使うオリジナルの釜です。釜の違いで炊きあがりはガラリと変わるといいます。

「当社の釜は、前身の会社のノウハウを活かしながら、開業時にひとつひとつオーダーメイドで作ったものです。ひとつの釜で300キロほどの量を炊くことができますが、何しろこれだけ大きいと味のばらつきが出やすくなります。そのため、味を均一にする工夫を施しています」

そして、最終的に味の決め手となるのが、熟練の職人によるチェックです。

「同じ豆、さつまいもであっても、収穫時期やロット、あるいは季節や気温によって、最適な炊き加減は変わります。味だけでなく、煮え具合にもばらつきがでないよう、柔らかさを確認しながら炊く時間を微調整し、最終的な仕上がりは職人の五感で繊細に判断しています。機械化や合理化できない部分=手作りの感覚を大切にしています」

商品開発の苦労

オクヒロ食品は、大阪の佃煮屋で修行を積んだ奥延さんの父が、兄弟で設立した煮豆・佃煮の会社が前身です。1996年に独立・開業し、長年培ってきたノウハウを受け継ぎながら、煮豆づくりを続けています。

商品開発にあたっては、日本の伝統食品を扱うからこその苦労も多くありました。

「伝統の枠からなかなかはみ出せないといいますか、煮豆をベースに今までにない新しい商品を生み出すのは、正直、難しいところがあります。

以前は、(煮豆市場が)閑散期となる夏場にゼリーを作ったこともありました。私たちは常温で日持ちのする商品を得意としているので、そのノウハウを応用できると思ったのです。フルーツを使ったものやあずきと白玉だんごが入ったものなど工夫しました。しかし、煮豆とは販路が異なることがネックとなり、結局やめてしまいました」

オクヒロ食品株式会社

オクヒロ食品株式会社

『幸福豆』をおせち料理の新たな定番に

なぜ、夏場が閑散期になるかというと、煮豆はおせち料理の定番としての需要が高く、秋から冬にかけて商品を供給していく生産体制があったためです。
しかし時代は変わり、おせち料理から煮豆は姿を消しつつあるのが現状だといいます。その理由を奥延さんは次のように分析します。

「おせち料理に入っている『お多福豆』にはそら豆が使われており、その独特の風味や甘さが敬遠される原因になっているように思います。そら豆は皮が固いため、炊くのに時間がかかり、煮崩れを防ぐためにたくさんの砂糖を加えます。その結果、とても甘くなってしまうのです。

それに変わる縁起物として、私たちは『幸福豆』を提案しています。『幸福豆』に使っている大黒花芸豆は、形や大きさもそら豆と似ていますが、皮が柔らかく、甘すぎず食べやすいところが強みです。独特の臭みもありません。早速、興味を示してくださっているおせちメーカーさんもあるので、これを機に『幸福豆』の認知を広げていきたいです」

オクヒロ食品の煮豆は、『幸福豆』以外にも、金時豆やうぐいす豆、昆布豆、黒豆など全8種類

ほかにも『幸福豆』は、「焼き肉弁当など肉料理の箸休めとしても最適」と奥延さん。『幸福豆』を多くの人に美味しく味わってもらえるよう販路の拡大に尽力しています。

『幸福豆』のおすすめアレンジレシピ

おかずとしてそのまま食べてももちろん美味しい『幸福豆』ですが、ちょっとしたアレンジでデザートとしても楽しめます。

なかでも、奥延さんのおすすめは、パンケーキに『幸福豆』を練り込んで焼く食べ方。

「パンケーキなら、フライパンで比較的短時間で焼きあがるので、『幸福豆』に火が通りすぎたり、焦げてしまったりすることもなく、美味しくできあがると思います。そこに生クリームやバターを添えると、さらに美味しくなりますよ。

あんバターがあるように、豆とクリーム・バターは非常に相性が良いのです。『幸福豆』をのせたトーストもおすすめです。焼いたあとに、ぜひバターをのせて一緒に味わってみてください。コーヒーのお供にも最高です」

日本の伝統食品を後世につなげていくために

こうしたアレンジレシピの提案などを通して、「若い世代に向けて煮豆をアピールしていきたい」と奥延さんは意気込みます。

「煮豆を習慣的に食べる若い人は少ないのではないでしょうか。小さなお子さんのいる家庭の食卓に並ばなくなると、煮豆そのものを知らない子どもたちがそのまま成長してしまうことになる。それをとても危惧しています。まずは、その親世代となる20~40代くらいの方に手に取っていただくことが目標です。

煮豆市場は縮小傾向にあります。それをどうにか食い止め、日本の伝統食品を後世につないでいきたい。そのためには、伝統を守りながら、時代に合わせて少しずつ変化していく姿勢で、商品づくりに向き合いたいと思っています」

オクヒロ食品のノウハウと思いの詰まった『幸福豆』と『ひとくちうまいも甘煮』。お子さんのちょっとしたおやつとして、ハレの日を彩る一品として、食卓をほっこり笑顔にすること間違いなしです。ぜひ、味わってみてください。

Product作りてのおすすめ!

『幸福豆』は厳選した大粒の「大黒花芸豆(おおぐろはなげいまめ)」を使用しています。自社で生の豆から加工しており、ホクホク感としっとり感が絶妙な豆をほどよい甘さに炊き上げています。

幸福豆 5袋セット

4,300円(税込)

個数

『幸福豆』は厳選した大粒の「大黒花芸豆(おおぐろはなげいまめ)」を使用しています。自社で生の豆から加工しており、ホクホク感としっとり感が絶妙な豆をほどよい甘さに炊き上げています。

セット 5袋
産地情報 中国
容量
(g / ml / 個数 / セット)
410g × 5袋セット
規格
(寸法・重量)
縦140mm × 横235mm × 高さ170mm
栄養成分表示 エネルギー259kcal、たんぱく質5.8g、脂質1.0g、炭水化物56.7g、食塩相当量0.3g(1袋当たり)
賞味期限 / 消費期限 90日
配送方法 常温

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